2014年11月30日日曜日

すえずえ




すえずえ 畠中 恵 新潮社

しゃばけシリーズ第13弾。

すえずえは末々と書くのだろうか?
 栄吉の来年
寛朝の明日
おたえのとこしえ
仁吉と佐助の千年
 妖達の来月
 の5編。
 栄吉と一太郎の許嫁も決まったようだ。 毎度のことだが畠中さんの創造力に驚嘆をおぼえる。

☆☆☆★★

2014年11月28日金曜日

破門



破門 (単行本) 黒川博行 角川書店

シリーズ第五弾らしい。今までの作品は読んでいないが直木賞受賞作とのことで読んでみた。
結構スピーディな展開で読み飽きさせない作品であった。

疫病神シリーズと言われているということは、どの作品も桑原に二宮が振り回される内容だと想像がつく。

今回は映画の出資にまつわる同じ系列内の組織とのもめごと。
桑原の計算されたイケイケどんどんぶりが素晴らしい。

☆☆☆☆★

2014年11月18日火曜日

兎月 本店


京成立石、奥戸街道にあるお蕎麦屋さん。兎月本店 せいろ大盛。独特の腰があるお蕎麦でした。

2014年11月12日水曜日

米国人一家、おいしい日本を食べ尽くす



米国人一家、おいしい東京を食べ尽くす アムスター=バートン,マシュー著 関根光宏 訳

シアトル在住のフードライター、マシューが妻のローリーと娘のアイリスの3人で、中野のアパートに1カ月住み、東京の食を満喫したお話し。

「英国人一家、日本を食べる」に近い作品だが、こちらは偉い人は出てこないし、たまに1,800円のうな重のようなものもは出てくるが超高級店も出てこない。庶民感覚の食レポ。

ジョークのセンスは私を笑わすことができないレベル。

ラーメン版が出たら読んでもいいかな。

☆☆☆★★

2014年11月8日土曜日

悟浄出立



悟浄出立 万城目学 新潮社

普段主役にならない西遊記の沙悟浄・猪八戒、三国志の趙雲、虞美人、秦の始皇帝を暗殺しようとした荊軻、ちょんぎられた司馬遷に焦点を当てた作品。

悟浄出立
語り部は沙悟浄だが焦点が当たっているのは猪八戒と感じた。かつては天界で天の川を管理し、水軍を指揮する天蓬元帥だった猪八戒。天界を罪で追われ人間になるところを間違って豚になってしまったが、今の境遇に満足している。
いつも冷めた目で周りを見ている沙悟浄はそんな猪八戒に心を動かされ西への隊列の先頭を歩きはじめる。そんな沙悟浄に悟空は道を間違ってもいいじゃないか、間違ったら戻ればいいという。

趙雲西航
張飛、諸葛亮とともに蜀に船で向かう趙雲を描く。
二度と故郷に帰ることができないと思う趙雲の胸のうちを諸葛亮は感じていた。

虞姫寂静
項羽からもらった虞という名の由来を四面楚歌の中で知る。項羽は名前を返し何処へでも行けというが虞は虞であることを望む。

法家孤憤
秦の始皇帝を暗殺しようとした荊軻の話。
同名異字の男が関わりを持った荊軻に思いを寄せる。

父司馬遷
司馬遷の娘が語り部となり失脚させられた父を語る。

ちょっとわからなかった。

☆☆☆★★

2014年10月24日金曜日

ハケンアニメ



ハケンアニメ 辻村深月

アニメ制作の現場をプロデューサー、監督、アニメーターの3人の女性を主人公に描く。 最初、題名見たときは王子と一緒で人材派遣のアニメーターが必死にノルマをこなす悲喜こもごもを描く話かと思っていた。まあ人材派遣以外は当たらずとも遠からずなのかもしれないが。 有科さんと王子の行方が気になるエンディング。辻村さんの作品は、環の出身地だったり何気に新潟登場率高くて嬉しい。

☆☆☆☆☆

2014年10月22日水曜日

手打ちそば工房 若月


信濃町の住宅街にあるお蕎麦屋さん。
国道の看板を見つければ良いが、そうでないとカーナビに頼らないと辿り着けそうもない。

大ざる(1,300円)を注文。ざる850円に対しえらい高い。そばが倍くらいあるのだろうか?

蕎麦が来る前に、サツマイモと漬物が出てきたのでお茶請けとして頂いた。

そばは十分な量があったが、苦手な幅広面が混ざった不揃いなものでちょっと固め。蕎麦湯はあっさり目。

先客が二組。両方とも「美味しかったです。」といって帰って行かれたが私の好みにはフィットしなかった。

口コミを見てもそばの風味が良いとあるが、私はそばの味より食感で食べているのかもしれない。
とにかく太い、硬いはダメなようだ。

2014年10月21日火曜日

本屋さんのダイアナ



本屋さんのダイアナ 柚木麻子


母子家庭で育つダイアナという名づけられた少女と優等生で誰もが憧れる境遇の彩子。二人の小学3年生から22才までのお話し。取っつきにくかったが途中から一気に読めた。ダイアナとその母親ティファニーを中心とした内容だがティファニーのたくましさが素敵。父親は予想通りの人物だったが、想像以上のダメ親父だった。
個人的にはダイアナのおじいちゃんが既に亡くなっていたことが悲しかった。ダイアナと会わせてあげたかった。

☆☆☆☆★

京成立石 そば さくらうち


京成立石から少し青砥方面に向かった住宅街にあるお蕎麦屋さん。

お店は内装がまだ新しい感じで、6人ほど座れるテーブル一つと4人ほど座れるカウンターだけの個人まりしたお店。
私が行ったときは多分、親子と思われる男性二人でやっていました。

せいろ大盛り(600円+200円)を頂きました。リーズナブルです。

北海道上川町産のそば粉を使用。ちょっともっちりとした細麺。好みでした。
汁は濃いめ、蕎麦湯は入れ物が陶器の水差しのようなもので振って混ぜることができず底にそばの成分が沈んで最後だけが濃くなりちょっと残念。

最後に口直しの自家製らしいプリンが出てきた。なかなか努力していらっしゃる。

メニューを見たところたまごかけご飯が押しのようでした。

website URL http://soba-sakurauchi.wix.com/soba-sakurauchi

2014年9月24日水曜日

海うそ



海うそ 梨木香歩 岩波書店

昭和の初め、人文地理学の研究者、秋野は南九州の遅島へ赴く。かつて修験道の霊山があったその島は、豊かで変化に富んだ自然の中に、無残にかき消された人々の祈りの跡を抱いて、彼の心を捉えて離さない。そして、地図に残された「海うそ」ということば・・・。
五十数年後、不思議な縁に導かれ、秋野は再び島を訪れる。いくつもの喪失を超えて、秋野が辿り着いた真実とは。

中世の地鎮のための木簡に「吾都」と書かれていた。「あと」と呟いた秋野は「波音(はと)村」は「吾都」、わが都だったのだと思い至る。

五十数年振りに海うそを見た秋野に、息子は綺麗だという。そして良信の防塁に似ているという。

何かがわかったようなわからないような・・・。そんな終わりだった。

明治時代の一地方における廃仏毀釈のありようの一部をみた。

☆☆☆☆★

2014年9月17日水曜日

やぶ平



大もり600円。
新潟市中央区曽野木団地の中のお蕎麦屋さん。
テルサに用があって鳥屋野潟対岸のお蕎麦屋さんに行こうと思ったら水曜定休。仕方なくナビで近所のお蕎麦屋さん探して入った。値段相応でした。


ただ、先客のガードマンが仕事着で昼にビール飲んでいてびっくり。

白浜屋でラーメン食べたほうが良かったかとちょっと後悔。

2014年9月8日月曜日

満願



満願  米澤穂信 新潮社

6話の短編集

米澤さんらしいブラックなお話し。2話既読であった。

1.夜警
  通報を受け交番から出向いた警察官が死んだ。その訳は・・・。

2.死人宿
  かつての恋人を探し当てて訪れた先は死人宿と噂される山奥の旅館だった。

3.柘榴
  生産性の無い夫と別れることを決めたさおり。当然自分に付いてくると思っていた二人の娘が夫を選んだのは・・・。

4.万灯
  Story Seller Annexで既読。
  商社員としてバングラディッシュで天然ガスの利権を争う中で伊丹はどこで間違ってしまったのか・・・。

5.関守
  伊豆半島の桂谷峠でここの所、道路から崖下への墜落事故が続けて発生している。
  都市伝説のネタを探して古いドライブインを訪れたフリーのライターの運命は・・・。

6.満願
  Story Seller Vol.3で既読。
  夫が作った借金のため人を殺してしまったかつての下宿先の主婦を弁護した弁護士が思い当った本当の真相は・・・。

☆☆☆☆★

2014年9月7日日曜日

海鮮居酒屋 笑福 ざるそば



予定していたお蕎麦屋さんに行くことが時間的に厳しくなったので新潟駅前で昼食を食べることにした。居酒屋さん店頭のランチメニューにお蕎麦の写真が有ったので寄ってみることにした。

あんまり期待はしていなかったのだが、汁は少しぼんやりしていましたが、普通に美味しい布のりそばでした。

ざるそば 630円


2014年8月31日日曜日

誰か



誰か―Somebody (文春文庫)  宮部みゆき

ペテロの葬列、名もなき毒、誰かの順に読んでしまった。
義父嘉親の三郎への接し方は一貫していた。菜穂子との関係は所々で最後の結末を予想させる伏線らしきものを感じた。

梶田姉妹と姉の婚約者の関係はバレバレ感あり。その関係が心地よいものでないのがこのお話自体の感想となってしまった。

☆☆☆★★

2014年8月23日土曜日

日本その日その日3



日本その日その日 (3) (東洋文庫 (179)) モース

九州への旅の途中から京都、奈良への旅と最後の東京での生活。下手な西洋料理よりも日本の食事を上手いと感じるようになっている。
焼き物の造詣も下手な骨董品屋に負けない。
母国と同じくらい日本と日本人を愛してくれたモースにありがとうと言いたい。

☆☆☆☆★

2014年8月12日火曜日

天国旅行



天国旅行 (新潮文庫) 三浦しおん

巻末に「心中」を共通のテーマにした短編集と記してある。
直接心中がテーマのもの、話の過程で心中が出てくるもの、心中に見せかけた殺人、心中といえば言えなくもないそんな話が7編。
テーマがテーマだけに愉快な話はない。「遺言」がまだましな読後感であった。

森の奥
 富士の樹海で自殺しようとした男と謎の男の樹海道行き。


遺言
 「あの時死んでしまえば良かった。」が口癖の妻への遺言。

初盆の客
 祖母の初盆に訪ねてきた客は、祖母の孫だと名乗る。
 
君の夜
 夢の中では別の生活がある女性の話。避けようのない定めに導かれて行く。


 憧れていた高校の先輩が焼身自殺した。その真相は・・・。

星くずドライブ
 付き合っている彼女が死んで幽霊となって現れた。

SINK
 一家心中から一人生き残った男。あの時水の中で足首をつかんだ母親の気持ちは・・・。
 sinkってのは沈むってことなのね。


☆☆☆★★

2014年8月5日火曜日

新発田 そば処しま



お蕎麦が出てくるには少し時間が掛かるが、美味しいお蕎麦と揚げたて天ぷらがいただけるなら苦になる程ではない

 更科系の白いお蕎麦が特徴的。
お蕎麦は十割のせいなのか短めのものも結構あるが、食べた感じはそれほど気にならなかった。
好みのお蕎麦で美味しく頂きました。

 お店のお母さんが「はじめはそばつゆにつけず大根おろしだけつけて食べてください。」とおっしゃるのでそのようにしたが、つゆにつけた方がやっぱり美味しい。

天ぷらは「海老といか」を注文。カラッと揚がり、海老は頭からしっぽまで美味しく頂けました。

 大根おろしでもう少し食べればよかったのかもしれないが、そばつゆがもうちょっと濃いか量があると私としては申し分ないところだ。

値段はもりが900円、大盛りは300円プラス。ちょっと高い。一番粉だけだからしょうがないのかな。

2014年8月3日日曜日

ミッドナイト・バス



ミッドナイト・バス 伊吹有喜 文藝春秋

新潟市から高速道路で1時間程の架空の市、美越市にあるバス会社の白鳥交通。
そこで高速バスの運転手をしている高宮利一。東京の会社をやめ突然帰郷した息子怜司、ゴスロリのショップで働きながら仲間とウェブサイトで魔法少女のキャラをやる彩菜、別れた妻の美雪、今の恋人志穂。そしてその周辺の人々が織りなす人間模様。

悪人のいないお話し。まあ少し美雪の今の夫に問題はあるが大したものではない。
結末も未来のある終わり方だった。

伊吹さんの本ははじめて。三重生まれの人が何で新潟に住む人を主人公にお話を書いたのか不思議であったが何か繋がりがあったのだろう。うれしいことだ。
名前を見て男性か女性か悩んだが話の内容は女性が書いた感じがすると思ったら正解であった。
写真を見たら素敵な女性であった。

☆☆☆☆★

2014年8月1日金曜日

日本その日その日2




日本その日その日 (2)  E.S.モース (東洋文庫 (172))

外人教員としての仕事、北海道への旅、6か月間の帰国後の東京での生活と九州への旅の途中の鹿児島までが収められている。

1巻に比べ日本食が食べられるようになり、日本の火消に対する考え方も認識を改めたようだ。
スケッチも一段と上手くなった気がする。

☆☆☆☆☆

2014年7月27日日曜日

大宮 そば処くらのと

昨年、大宮駅周辺のお蕎麦屋さんを検索した結果、駅に近く評判が良かったので訪れたけれど、13時を過ぎで、もう予定数量は出てしまったようでお店は閉まっていました。

ってことで2度目の挑戦。

お品書きを見ると普通のお蕎麦屋さんと少しシステムが違うようだ。

「そば」と「セット(そば+つけ汁)」、「つけ汁」っていう分け方。

よくわからないがセットがお得なのだろうと一番シンプルなおろし汁セット900円をたのんだ。
でも、そば1人前750円っていうのがシンプルな汁+お蕎麦だったようだ。

「大盛りはあるんですか・・・」と聞こうとして聞かなくて正解だったのは後でわかる。



蕎麦屋さんらしく日本酒もそろっているが全部新潟のお酒ってのは好感が持てる。



そばが来た。圧倒的な量だ。麺は星がいっぱい入った平打ちの麺。
汁は大きめのお椀に大量の大根おろしと多分鰹節が入っている。

平打ちの麺にはやっぱし、強烈な汁じゃないとダメなんだろうと思うが、麺は細ければ細いほど美味しいと感じる私の舌には麺も汁も相性はよくなかった。


普通のお店の2.5倍は確実にあるお蕎麦を苦しみながら全部平らげた。
この麺の量だからつけ汁が別オーダーできるメニューだということが分かった。
二人以上で一人前の麺をシェアしてつけ汁だけ好みのものをオーダーするってことなんだ。

私が行ったのは開店早々の11時過ぎだったからすいていて空いてるところにお座りくださいと言われたが、12時過ぎれば混雑するらしく11時半過ぎに来たお一人様は大テーブルに座るようお願いされていた。

まあ、やっぱり人の好みは様々だと思い知ったお店でした。


2014年7月26日土曜日

名もなき毒


名もなき毒 (文春文庫) 宮部みゆき

村杉三郎シリーズ第2段。
トラブルを起こした女性アシスタントの身上調査のため、私立探偵の北見のもとを訪れる。そして連続殺人事件へと巻き込まれてゆく。

青酸カリ、シックハウス、土壌汚染と人間の心の中に潜む毒。いじめ、嘘、嫉妬、ねたみ・・・。

☆☆☆☆★

須坂屋 新潟駅前店


手振り蕎麦800円。

これで1.5人前らしい。
もりそば大盛り720円とどっちがいいか悩むところだ。

そばはいいけど汁がぼけた感じだった。

2014年7月20日日曜日

俺たちの約束



おれたちの約束 (おれのおばさん)  佐川光春 集英社

三部作の三巻目らしい。高見陽介は父親の実刑判決により家族と別れ北海道で伯母が一人で切り盛りする児童養護施設から中学に通い、今は仙台の有名進学校で高校生活を始めた。寮の仲間の中本、菅野と中国留学生の周君、担任の村瀬先生等との様々な出来事のなかで高校生活は過ぎ学園祭の当日、地震が起きる。緊急事態の中で、仲間の絆は深まって行く。

軽く読めて爽やかな読後感のある作品。

☆☆☆☆★

2014年7月19日土曜日

中郷 そば処文文

上信越道中郷ICから国道を妙高方面へ右折するとすぐに右側にある。

はじめてのお邪魔。

新潟県のお蕎麦の本によるとざるは1枚、2枚、3枚、4枚と数が増えるに従いお得になると書いてあったのですが、そのシステムはやめて普通、中もり、大もりってことにしたようです。
最初のシステムだと複数人で行った時はお客さんが有利だと思うから今のが正解だと思う。

お蕎麦も今年になってから二八から十割になったそうです。

ガイド本によると水蕎麦といって冷えた水に入れたお蕎麦があるらしいけれど、今日は普通にざる中もり。
汁は辛目の福島系と甘目の戸隠系から選べるというので男は素直に辛目で。

カウンターにある突出しは自由に持って来ていいとおっしゃるので大根サラダとお蕎麦の素揚げを持ってきたら、唐突に10cm位の長さの半割大根がおろし器の上に乗ってドンと出された。

予期していなかったのでびっくり!しかし当然これは自分ですって薬味にして頂戴ってことだろうとお蕎麦が来るまで一生懸命、大根おろしの制作にいそしむ。

突出しは他に昆布の煮物と、なすなどの野菜の煮物があった。


中もりのざるが登場。
結構盛りはいい。お蕎麦は十割だけどまあ普通ってところでも減点要素は無し。
汁は辛目とは言ってもつんとしたりとがったところはなく、ダシの効いた美味しい汁でした。


カウンターにコーヒーもあり自由に飲める。これで610円は大変リーズナブル。

大根は半分余ってしまった。

今度は水蕎麦に挑戦しよと思う。

2014年7月16日水曜日

ペテロの葬列



ペテロの葬列 宮部みゆき 集英社

杉村三郎シリーズ第3弾。しかしこの話から読み始めてしまった。前作「名もなき毒」の内容は今回結構描かれていたので大筋は理解したが今回に引き継がれている心理的影響までは汲み取っていない。残念。

巨大コンツェルンの会長娘婿の杉村三郎は、社内報の副編である。OBの大物の取材帰りに乗ったバスが乗っ取られることから話は始まる。

Sensitivity Trainingとマルチ商法と浮気の話。ひっくるめると「裏切り」の話。

内容は暗くドロドロしたものだが、主人公杉村三郎と義父今多嘉親のおかげでサッパリした読後感となった。

下の絵は本文中にも出てくるレンブラント 「ペテロの否認」。連れてゆかれるイエスが、イエスなど知らないと言っているペテロを振り返っているところ。

この本の題名が意図するところは何だろう。「裏切り者」埋葬するための人々の葬列なのか、「裏切り者」が並んで「死」「破滅」に向かって歩いているところなのか。私は後者だと思う。


                    
ペテロは下で中庭にいたが、大祭司の女中のひとりがきて、ペテロが火にあたっているのを見ると、彼を見つめて、「あなたもあのナザレ人イエスと一緒だった」と言った。するとペテロはそれを打ち消して、「わたしは知らない。あなたの言うことがなんの事か、わからない」と言って、庭口の方に出て行った。ところが、先の女中が彼を見て、そばに立っていた人々に、またもや「この人はあの仲間のひとりです」と言いだした。ペテロは再びそれを打ち消した。しばらくして、そばに立っていた人たちがまたペテロに言った、「確かにあなたは彼らの仲間だ。あなたもガリラヤ人だから」。しかし、彼は、「あなたがたの話しているその人のことは何も知らない」と言い張って、激しく誓いはじめた。するとすぐ、にわとりが二度目に鳴いた。ペテロは、「にわとりが二度鳴く前に、三度わたしを知らないと言うであろう」と言われたイエスの言葉を思い出し、そして思いかえして泣きつづけた。(マルコによる福音書14:66-72)

無駄な知識
「ペテロ」「ペトロ」は聖ペトロにちなむヨーロッパ諸言語の一般的な男性名としても用いられ、現代言語ではえ英語のピーター、フランス語のピエール、イタリア語のピエトロ、ドイツ語のペータースペイン語・ポルトガル語のペドロ、ロシア語のピョートルなどと発音される。


☆☆☆☆★

2014年7月7日月曜日

漁港の肉子ちゃん



漁港の肉子ちゃん 西 加奈子 (幻冬舎文庫)


だめな男を吸い寄せる肉子ちゃん。
ださい何かも、ばんばん手に入れる肉子ちゃん。
冷静で大人びた小学生の娘キクりん。

そんな二人の日常生活が語られてゆく。
最後にキクりんの出生の秘密が明かされる場面では鼻の奥がツンとしてくる。賢いキクりんはずっと前に気づいていた。

お馬鹿でダサい肉子ちゃんの大きな愛に包まれてキクりんが素直で綺麗な娘に育つことを期待する。

本当は石巻を舞台にしたかったのだが東日本大震災の影響で日本海側の漁港を舞台にしたそうだ。話される方言は聞き覚えのある新潟県中越地方のものだった。

2014年6月16日月曜日

I love you


若い男女の恋愛のプロローグからエピローグを綴る6人によるアンソロジー。

透明ポーラーベアー:伊坂幸太郎
ほんとは辛い話なんだけど、伊坂さんにかかると湿っぽくならない。

魔法のボタン:石田衣良
一番好きな話だったかも。恋愛下手な女の子は愛しい。

卒業写真:市川拓司
昔あこがれていた人が、まさか・・・。

百瀬こっちを向いて:中田永一
一番芝居がうまかったのは誰か?というお話し。
田辺が素敵だ。

突き抜けろ:中村航
みんな決めてしまった二人。枠を突き破ることができるのか。

Sidewalk Talk:本多孝好
これから別れるつもりの二人。女は勝手なんだ。
この終わり方に期待していいのだろうか。

結局みんな読み終わった時にはにやって笑ってしまう話だった。

☆☆☆☆★


日本その日その日 1



日本その日その日 (1) (東洋文庫 (171)) E.Sモース 石川欣一 訳

大森貝塚を発見したことで名高いモースが日記とスケッチを基に明治初期(明治10年)の日本を具体的に親愛を込めて描がいている。220に及ぶ自筆のスケッチの挿絵があまりにも素晴らしい!
その頃の日本人の正直さ、無邪気さ、芸術的センスを誉めちぎっている。
図書館で借りて読んだが、手元に欲しい。

古本屋で7,000円ほど、多数のスケッチと本文の一部を省いた復刻版の文庫は1,037円。
悩むところだ。

☆☆☆☆☆

2014年6月11日水曜日

妙高市 文ざ



妙高で昼飯ってことで本当は「こそば亭」に行こうかと思ったが、妙高の8号沿いに昔あった「文ざ」というお蕎麦屋さんが美味しいと聞いたので、ググってみると3年ほど前に新井に移店してきたらしい。

12時15分頃お店に着くと次から次へ車が入って行く。えらい繁盛しているようだ。
お店は綺麗でカウンター、座敷、個室といろいろ選べる。

メニューをみると、どうやらお蕎麦と海鮮のお店らしい。
値段もおそば専門店から比べると1ランク安い。

天ぷらそば大盛りを頂きました。(※天ぷらそばは天ぷらの数で2種類あった)
お蕎麦は好みより固め、つゆはきつく感じた。天ぷらはカラッと揚がっているようだったが油っぽさがちょっとだけ気になり、天ぷら7個の天ぷらそばにしたけれど、安い方の天ぷらそばで十分だった。

そば湯はさらっとしたさっぱり目。

ミニ丼とのセットメニューが数多くあるので家族連れで行くには良いかもしれない。


2014年6月9日月曜日

空蝉の念



空蝉ノ念-居眠り磐音江戸双紙(45) (双葉文庫)

肱砕き新三こと河股新三郎を空蝉にたとえ、剣客の執念を描きながら、佐野善左衛門の動きと松平定信がそこに係ってくる。
しかし、どうも佐伯さんは、面倒くさくなったようでその件には磐音を係らせないことにしたようだ。
この巻では辰平とお杏の中が進み周囲に認められた。

後書きにあと5回で大団円を迎えるとなっている。やっぱり、50巻まで引きずるみたいだ。

☆☆☆★★

2014年6月6日金曜日

SOSの猿




SOSの猿 (中公文庫) 伊坂幸太郎

西遊記を参考に母子関係を描いたお話し。おまけに悪魔払いと株の誤発注とDVのお話しがついてくる。
漫画とのコラボで伊坂さんだけの創造ではなかったようでなんか、面倒くさかった。

☆☆☆★★

2014年6月4日水曜日

砂漠



砂漠 伊坂幸太郎 実業之日本社

北村が語る鳥井、南、東堂、西嶋と織りなす青春物語。
時々出てくる幹事の莞爾。

物語は合コン、ボーリング、麻雀、超能力、学園祭、恋、キックボクシング・・・等の話題をちりばめ季節ごとに語られるが、そこに軽い引掛けが用意されている。軽いのでやられた感はあまりなかった。

つらい内容もあるが伊坂さんらしく、最後には暗くならずに終わった。
北村と鳩麦さんの恋の行方は・・・幸せになると想像しておこう。

☆☆☆☆★

2014年5月28日水曜日

Story Seller annex



Story Seller annex (新潮文庫)

六人の短編集

R-18:有川浩
二次元規制に関する出版関係者の雑談。まあ某規制に対する思いをぶつけたってところだろうか。


ジョン・ファウルズを探して:恩田陸
ジョン・ファウルズに関するお話なんだろうけど思い出せない。

トゥラーダ:近藤史恵
ポルトガルのチームに移籍した白石誓の話というか、誓の下宿先の息子の自転車選手のお話。
トゥラーダは闘牛のことらしい。闘牛の牛とその自転車選手を重ねているんだろうか?
サヴァイヴで既読でした。

暗がりの子供:道尾秀介
身も心も暗闇に入りかけた少女のお話。
読み終わった時、あぁ良かったと思う。


約束:湊かなえ
トンガで働く日本女性を婚約者が訪ねるお話。よくわからない。

万灯:米澤穂信
バングラディッシュのガス田開発にまつわるドツボにはまった商社マンのお話。そんなに一生懸命働かなくちゃならないのかって思う。


☆☆☆★★

太陽の坐る場所



太陽の坐る場所 (文春文庫) 辻村 深月

古事記の天戸岩の話をベースに、高校時代女王として君臨していた響子と同級生の関係と芸能人になって活躍しているキョウコに対するそれぞれの思い、現在の状況を出席番号二十二、出席番号一、出席番号二十七、出席番号二、出席番号十七の生徒たちに一章ずつ割り振って描いている。

得意の名前トリック。
同じクラスの女子高生がメイングループのごたごたとキョウコが太陽かと思えば響子が太陽だったというお話。

辻村さんのお話には時々新潟が出てくる、赤羽環とか。

☆☆☆★★

2014年5月26日月曜日

湯島ノ罠



湯島ノ罠-居眠り磐音江戸双紙(44) (双葉文庫) 佐伯泰英

霧子の回復から辰平の救出まで。
天明4年3月24日には佐野善衛門が田沼意知に切りかかるのだがあと20日余りに迫っているのにその緊迫感は伝わってこない。50巻まで本当に引っ張るのだろうか?!

辰平が殺されていない説明はあるが、直ぐに殺害しない必然性がない。見つけ出すのを待って殺しに来たって感じ。

ここまで読んだから最後まで付き合うけれどお金を出して買うかはわからない。(かっぱらうんじゃなくて図書館で借りるんだけど)

☆☆☆★★

2014年5月25日日曜日

LAMY(ラミー)2000 L401(その2) リフィル交換

 LAMY2000Cのリフィルをジェットストリームのものに替えた。
0.5mmにするつもりだったけれど、お店で試書きしてみたら0.5mmが思いのほか細い。

おまけに黒の在庫がなかったので0.7mmを購入。

緑は予定通りそのままで。




下の写真は上段が標準リフィル、下段がジェットストリームプライム用リフィル

写真では解りづらいけれど粘りつくLAMYに比べジェットストリームは滑らかぁな書き味。
青は残念ながらLAMYの方が色は鮮やかで好み。ジェットストリームは濃いというか
深いぃ青って感じだ。
赤はジェットストリームが断然鮮やか。
太さは同じ0.7mmだけれどジェットストリームの方が細く感じる。これならば0.5mmより0.7mmで私の好みからすれば正解。



らぶらのloftで見つけられなくて、新潟駅南のジュンク堂の中の丸善の売り場でジェットストリームプライム3in1とノック式3色ボールペンで試書きしたのだけれど3in1が欲しくなった。

週末のフール



終末のフール (集英社文庫)伊坂幸太郎

小惑星が8年後、地球に衝突し人類が滅亡すると発表されてから5年たった仙台市北部の団地「ヒルズタウン」で起こるお話し8編。

最初のパニック、略奪、暴力などの混乱期を過ぎ、世界が少し落ち着きを取り戻す中で終末への覚悟、恐れ、家族や周囲の人々への思いをほのぼのと描いている。
珍しく時系列に短編が並んでいて読みやすかった。


☆☆☆☆★

2014年5月24日土曜日

山ながし


山ながし―ある和算家の生涯 一木壽一 文芸社

ある和算家の生涯を語る。

江戸時代の和算の大家、関孝和の養子となった関新七郎の話。
史実としてはっきりしているのは関新七郎がばくちの罪で重追放になり関家が断絶したということ。そこから話を膨らませていったのか、それとも資料として様々なものがあるのか不明で、登場人物の内、実在の人物がどこまでなのか気になるところだが読み物として面白かった。

☆☆☆☆★

2014年5月22日木曜日

抜け参り薬草旅



抜け参り薬草旅 出久根達郎 河出書房新社

江戸瀬戸物問屋の小僧英吉は寝小便を治すためお伊勢さんへ抜け参りする。途中腹の調子が悪くなったことから薬草採りのの庄兵衛と出会い道連れになる。

庄兵衛さんが簡単に事件を解決しすぎるが、退屈しのぎにはなるお話でした。

☆☆☆★★

2014年5月19日月曜日

サッカーの神様をさがして




サッカーの神様をさがして   はらだみずき 角川書店

編集者を辞めサッカーライターになった男。仕事もなくブログで自身の高校時代のサッカー体験を書き出した。その物語の中に出てくるサッカーの神様という言葉を契機にサッカーの神様を探し始める。そして自分にとってサッカーの神様とは誰だったか気づいていく。

50過ぎた親父が読んでもOKだった。

☆☆☆☆★

2014年5月14日水曜日

東北桜紀行

ゴールデンウィーク前半、バスで東北へ桜を見に行ってきました。


4月27日7時20分に新潟駅南口からちょっと見てくれの良い魚沼中央トランスポートのバスで出発。

日本海側を北上し、朝日の道の駅で休憩し、弁当を積み込み車中でお昼。

角館の武家屋敷周辺の枝垂桜を見て、



 こんなサービスがあったり

こんなマスコットもいた。



地元の人達は川の両岸で笛や太鼓を鳴らし競い合うような珍しい花見していた。


桧木内川の河原のソメイヨシノは、前日開花し訪れた日の朝はまだつぼみだったものが午前中に一気に咲いたそうで超ラッキーだ!


翌日はまず芦野公園から津軽鉄道に乗って五所川原へ行くのだが電車待ちの間、芦野公園散策。

桜のトンネルの中を列車が走り

公園のある金木町出身の太宰の像や記念碑があったり

ヒグマもいたりとナカナカ懐の深い公園だった。

列車の中では津軽観光アテンダントのお姉さんが多少標準語を混ぜたやさしい津軽弁で観光案内をしてくれる。
この日はゴールデンウィークということもあり、アテンダントさん3名体制という豪華版だった。


私たちの車両は唯一のお花見仕様で桜の造花、イルミネーション付だった。

さて五所川原から先回りしていたバスで今回の旅のメインイベント弘前城公園へ。
お濠と天守閣と下乗橋と桜のこの景色は、お濠の改修に伴って天守を曳家するので来年から10年間見ることができない。
今年来てほんとによかった。

桜のトンネル



西濠、角館の桧木内川も素晴らしいと思ったがこの桜を見ると圧倒的に弘前公園に軍配は上がる。

昼飯は公園内のお店で焼きそばやフランクフルト買って舞い散る桜の中でいただきました。


二日目のお宿は鶯宿温泉「長栄館」。当初予定のお宿がオーバーブッキングでグレードアップのお宿変更とのこと。

温泉は源泉かけ流しで食事も美味しく頂きました。

夕飯


 朝食



ただし、この季節にしては暑かったのでエアコンを冷房にして稼働させたけれど、まだ元が冷房に切り替わっていないようで室温は上がるばかり。
こんな注意書きがあり窓を開けて涼むこともできなかった。


最終日の桜は小岩井農場の一本桜。満開とは言えないけれど6、7分咲。

最後の見学地は田沢湖。
キンキラキンのたつこ姫の像をみて

お昼は横手の秋田ふるさと村できりたんぽ鍋をいただき一路故郷へ

お花見ツアーは桜の開花状況で幸、不幸があるけれど今回はハッピーなツアーで満足でした。