2014年8月12日火曜日

天国旅行



天国旅行 (新潮文庫) 三浦しおん

巻末に「心中」を共通のテーマにした短編集と記してある。
直接心中がテーマのもの、話の過程で心中が出てくるもの、心中に見せかけた殺人、心中といえば言えなくもないそんな話が7編。
テーマがテーマだけに愉快な話はない。「遺言」がまだましな読後感であった。

森の奥
 富士の樹海で自殺しようとした男と謎の男の樹海道行き。


遺言
 「あの時死んでしまえば良かった。」が口癖の妻への遺言。

初盆の客
 祖母の初盆に訪ねてきた客は、祖母の孫だと名乗る。
 
君の夜
 夢の中では別の生活がある女性の話。避けようのない定めに導かれて行く。


 憧れていた高校の先輩が焼身自殺した。その真相は・・・。

星くずドライブ
 付き合っている彼女が死んで幽霊となって現れた。

SINK
 一家心中から一人生き残った男。あの時水の中で足首をつかんだ母親の気持ちは・・・。
 sinkってのは沈むってことなのね。


☆☆☆★★

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