2023年3月16日木曜日

地図と拳

 

著者 : 小川哲
集英社
発売日 : 2022-06-24
第168回直木賞受賞作。物理的に重く厚い本であった。直木賞受賞作にしては理解しにくい物語だった。
日露戦争前、義和団事件の頃から第二次世界大戦の終戦頃まで満州の架空の町、李家鎮が舞台の中心。
歴史的には義和団の基となった義和拳、彼ら空手のような拳術を習い、呪文を唱えると神通力を得て刀や鉄砲にも傷つかないと信じていたらしい。題名の拳はその拳なのだろうか。物語では後に孫悟空と名乗る男は、毎日わき腹を土山に打ちつけることで鉄砲の玉に負けない体を得る。
そしてロシアから来た神父の造った地図には青龍島という架空の島が描かれている。それが何のために描かれたのか。それを解き明かそうとした男は満州で戦死した男の未亡人を妻とし、須野明男(スノアケオ)というギリシャ神話の水の神であるオケアノスを逆から読んだ名の子供を得る。そして長い物語は建築とは何かと問いながら進んでゆく。
★★★★☆

2023年3月14日火曜日

ひなた弁当

 

50歳を前に住宅会社をリストラされた芦溝良郎。職探しをするがなかなか見つからず、危ない精神状態一歩手前までくる。そんな時、公園でドングリを拾っている母娘を見てドングリって食べられるんじゃないかと思いネットで調理方法を探し調理してみる。ドングリだけでなく野草へと食材は広がる。釣りをしている人に釣り方を教わりその日のうちに道具を買い川魚も食材に。食べることに不自由しなくなると心に余裕ができ、店を閉じていたお弁当屋さんに雇ってもらい取ってきた野草や、ブルーギル、川エビ、ウナギを食材に弁当を売り始める。そして・・・というお話し。
ちょっとリストラからの不遇状態までが長く、心が重くなり読み進めるのがつらかったが、後半は楽しく読めた。
★★★★☆

花咲小路三丁目北角のすばるちゃん

 

高校を卒業したすばる君。母親は離婚し家を出て、父親は病気で亡くなり、祖父が自らやっていた自動車整備工場を駐車場にしてすばる君の生活ができるようにしておいてくれた。
今は駐車場の社長で、受付を兼ねるシトロエンのキャンピングカ―で生活している。このシトロエンにはちょっと秘密があり、花咲小路三丁目で起きる様々な事件を周りの人たちと解決してゆくお話し。
★★★★☆