2024年1月29日月曜日

街とその不確かな壁

 

著者 : 村上春樹
新潮社
発売日 : 2023-04-13
ジャンルをファンタジーにしたが良いのだろうか?
書き出しは次元が違う二つの世界の話が並んで進んで書かれていたため理解できず物語に入りこめなかった。
2部、3部と読みやすくはなったが、最後まですっきりすることはなかった。
我々が生活していると思われる世界と、時計の針の無い壁の中の世界。音楽のある世界と音楽の無い世界。図書館に本がある世界と図書館に本がなく卵型の容器に古い夢しかない世界。影と本体、どちらが影でどちらが本体なのか、結局そんなことは関係なく意識だけの問題なのか。壁の中の世界は私が作り上げた世界なのか。イエローサブマリンのパーカーの男の子が継承した壁の中の世界は何が違っているのだろうか。
僕にはわからないことだらけだ。
★★★★☆

2024年1月19日金曜日

私たちの世代は

 

小学生で新型コロナウィルスの影響で不自由で制限された生活を強いられた世代の二人の女の子のお話し。
時間軸は子供時代と大学を卒業してからとが順繰りに繰り返される。
異なった環境で育った二人が、コロナの影響を受け育ち、ひょんなことから出会う。

コロナ世代のお話しと知り、読むのをちょっとためらいましたが、瀬尾さんらしいほんわかした中に周りの環境に負けないで強く明るく生きていく人達のお話しでした。
★★★★☆

2024年1月17日水曜日

お探し物は図書室まで

 

自分に自信を持てないスーパーの婦人服売り場の販売員、アンティークショップ開業を夢見る家具メーカーの経理部社員、出産を期に資料部に異動になった出版社の元編集者、なかなか職につけない30歳のニートそして65歳で菓子メーカーを定年退職した男性が地区のコミュニティハウスの図書室で一人の司書から紹介された本と手作りの付録から生きがいを見つけるお話し。5つの話でそれぞれの登場人物が関わり絡んでくる。
期待を裏切らない青山美智子さんの作品でした。
★★★★★

黒い絵

 

著者 : 原田マハ
講談社
発売日 : 2023-11-01
帯びには「著者初のノワール小説集」とうたわれていた。ノワールとは、仏語で「黒」のことらしい。原田さんにしては珍しく、淫靡であったり背徳的であったりオカルト的であったりする黒いイメージのお話が6編。
1時間ちょっとで読める本でした。残念ながら好みではありませんでした。
★★★☆☆

2023年12月19日火曜日

侠飯6 炎のちょい足し篇

引きこもりの自立支援施設が舞台。
いつもの二人は施設の近所で定食屋をやっている。
しかし施設の入居者が訪れると日替わり定食はいつも売り切れ、柳刃が特別レシピでおいしい料理を300円で提供する。
まあいつもの通り、これは情報収集の手段なのだろう。

今回のレシピで自分でつくれそうなのはポトフかな。
電子レンジを利用した時短方法を参考にして作ってみよう。
★★★★☆

侠飯5 嵐のペンション篇

 

東京都内の田舎にある流行っていないペンションが舞台。
時効を間近に迎えた5億円強盗事件と借金を抱えたペンションのオーナー、語り部となるペンションに雇われたアルバイト、ペンションのお客と地元民が絡んで話は進んでゆく。いつもの二人は今回はペンションのお客。柳刃自ら又はレシピを教えておいしい料理が作られていくのと並んで、嵐の中で5億円事件の時効を迎える。
★★★★☆

2023年12月12日火曜日

奔れ、空也 空也十番勝負(十)

 

空也十番勝負の十番目、完結編
ただし、十番目の勝負はあっさりと語られていた。
今回のメインは柳生の正木道場での修行。
柳生の道場も長い年月のうちに進歩がなく改革が必要と言うことをページを割いて語られていた。
読んでいる間はさすがに場面場面の描写がうまく楽しめたが、振り返ると中身が少なかった印象。
★★★☆☆