2012年12月19日水曜日

追い風ライダー


追い風ライダー 米津一成

近藤史恵さん、川西蘭さんなどバイクのお話は結構読んだけど、これが一番自分でも自転車に乗りたいと思わせる本だった。レース参加者だけでなく身近なライダーについても書かれた本だからかと思う。
5つの短編だけどそれぞれの登場人物が一寸ずつ関連している。

桜の木の下で
 事故で旦那を無くした悲しみを乗り越え、旦那の残した自転車コースを辿る女性。

キャットシッター
自転車に乗ってキャットシッター見習いのバイトをしている商社勤めの女性。キャットシッター先には桜の木の下での女性も。通勤途中に合うメッセンジャーと恋の予感。

旧友の自転車屋
商社に勤める壮年男性。自転車で伯父の見舞いに行ったことが切っ掛けで夫婦で自転車に目覚める。当然勤めている商社にはキャットシッターの自転車乗りの女性がいる。

勇気の貯金
子供の頃、おばあちゃんに会うため東京から土浦まで自転車で行った元体験を持つ関口さんがブルベというサイクリングイベントのコースを思いでの土浦までの道で作る。
ブルベの参加者には自転車屋の主人とその友人である商社勤めの男性が懐かしい旧式フレームの自転車で参加し、かってホビーレースで落車し大怪我をしたが、今は来年フランスで開かれる1200キロのブルベに参加しようとするくらい回復している真行寺というライダーもいた。

さとうきび畑
ナイトクラブでお店の女の子から突然、今度自転車でどこかに連れていけと声を掛けられた関谷。
お店の女の子にはお金を貯めて買いたいものがあった。それは・・・。
この5編の中で一番素敵に思った話。沙紀が可愛かったからか。
真行寺さんと関屋の関係が一つのか柱。
キャットシッターの彼女を持つホビーレーサーも出てくる。


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