2008年12月17日水曜日

スプートニクの恋人


スプートニクはソ連の人工衛星の名前だが、ロシア語の「旅の道連れ」(転じて衛星)から名付けられたらしい。本文中でもミュウがどうして「旅の道連れ」なんて付けたのかと言っていたが、(転じて衛星)から付けたのだろう。
しかし物語りは「旅の道連れ」が主題。決して孤独や、ドッペルベンガーでは無い。「すみれ」にとっての「ぼく」、「ぼく」にとって「すみれ」はともにスプートニクなのだと思う。たとえ「こちらの世界」と「向こうの世界」に離れていても。

しかし、村上さんの作品は難しい。何が難しいかというとのめり込むまでが難しい。非現実的な内容になってくるとSFやファンタジーと思って読んでいないから、なんかだまされている感じがしてしまう。物語に入り込めば苦にならないのだがそれまではナカナカ辛い。

解かる人は村上さんの作品を論理的に理解し説明できるのだろうが、私には無理だ。
何とか作品の中にもぐりこみ、肌で雰囲気を感じなければならない。頭で考えたら作品から放り出されてしまう。

ドルフィンホテルの16階
ねじまき鳥の井戸の中
カフカの入り口の石の先

その中に入っていくには考えちゃいけない。

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