2012年8月21日火曜日

月の夜の笑い猫




月の夜のわらい猫 超常小説ベストセレクション1 (超常小説ベストセレクション 1) 椎名誠

 SFやファンタジーの枠に入りきらない、かなり風変わりな、不思議世界のヘンな話を椎名さんは「超常小説」と呼んでいるそうで、椎名さんが選んだ傑作短編小説17編の内これは1巻9編を収録。

1.雨が止んだら
南の島で赤い箱を拾った男。中には少女が書いた日記があった。雨が降り続く世界で父、母、小学生の少女、幼い男の子の4人家族はどうなるのか。
 ― 椎名さんが解説しているようには読めなかった。

2.蚊
夜中目覚めたら部屋中に蚊が、蚊との果てしない攻防が続く。
  ― 果てしないと思うと非常に恐い。
3.生還
野球に似た近未来のゲーム。ただしホームに帰れるということは本当に生還するということ。生きてホームベースを踏めるのか。
 ― あまり好きではない。

4.管水母
管水母の中に入り子箆でたたら肉しずる肉するべ肉をゴシゴシこそげ落とすと管水母うれしくてうれしくてくねくねおどりだす。これは何を意味するのか朴念仁の私には分からない。
 ― 読んでも読まなくてもいいかな。

5.餛飩商売
近未来、戦後の荒廃した状況という設定の中、餛飩という食べ物を売る男。それを売るにもかなりの危険が・・・。
 ― 武器、兵士の階層を考えるのがうまい。


6.水域
雨が止んだらと同じ世界のお話か。 水没した世界でゴムボートに乗り旅をする男。
 ― あれ?終わりはどうなったんだろう覚えていない。

7.胃袋を買いに。
題名は新美南吉の「手袋を買いに」に捧げているとのこと。死者を一定期間甦させる事ができるようになった世界での落ち話。

8.考える巨人
なんか気持ちいいことをしてしまったためにどんどん大きくなっていく男のお話。
 ― 悲しいお話なんだろうが、あまり悲しくはなかった。
 
9.問題食堂
近所の食堂での喧嘩が、時空間を超えて繰り返されるお話。
 ― ちょっと苦手。

うーん☆☆☆★★


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