2023年1月26日木曜日

あたり―魚信

 

魚釣りのお話し6編。みんなちょっとアウトサイダーな人が主人公。「奇跡を信じたければ釣りをすれば良い」という言葉通りにいろんな奇跡が起こる。規模は小さいにしても。
★★★★☆

2023年1月24日火曜日

柳橋ものがたり 船宿『篠屋』の綾

 

時代はペリーが浦賀に来た頃、船宿「篠屋」を舞台に女中「綾」の目を通した6話。
口入屋内田の主人から紹介され綾は篠屋の女中となる。
あまりその素性は紹介されていない。若く見えるが歳は28、父親は医者で、兄は浮世絵の収集をしていて行儀作法は祖母からしつけられた。結婚していたことはあるが今は一人。働き者であり機転が利く、このぐらいのことが6つの話の中から伺える。
大きな事件は起こらないがそれでも船宿の飯炊きの息子千吉が下引きをやっていることもあり、船宿内外の出来事が綾に関わってくる。綾の目を通しそれらが語られてゆく。
綾の人柄が良いのか心軽やかに読み進められるお話しでした。
★★★★☆

2023年1月23日月曜日

切り絵図屋清七 冬の虹

 

最終巻
具合の良くない藤兵衛の跡を継ぎ清七が主となった絵双紙本屋・紀の字屋は、ますます繁盛していた。
一方、それを恨む同業者の近江屋が、紀の字屋の乗っ取りをはかっているという、噂が聞こえてくる。
そんな中、絵師の与一郎が、身に覚えのない人殺しの罪を被せられ、牢に入れられ清七は真相を追う。
★★★★☆

献残屋 秘めた刃

 

こういったお話しは誰かが殺され、その仕置き、始末をするのが原則なので悲しい事態が前提として発生しなければならない。
最初の「秘めた刃」では亡くなったのが悪役だったけれど、ほかの「女騒動」、「お命大事」、「殺しの手法」の三つは普通の人が殺されてしまうというお話しで、こういったのはもう読まなくて良いかなと思った。
★★★☆☆

2023年1月20日金曜日

やなりいなり しゃばけシリーズ 10

 

簡単にまとめると
・京橋の橋姫が恋をすることで通町が大混乱に。
・落語の粗忽長屋が本当に。
・長崎屋の旦那、藤兵衛が三日も帰ってこない。若旦那はなんでかと考える。
・空から青い綺麗な玉が落ちてきた。鳴家たちが触って長崎屋の外へ飛んで行って大騒ぎ。
・親友とその元許嫁の妹、そして自らの許嫁とその持参金で大騒ぎに。
といった五つのお話し。
なんか説得力がないというか切れがない感じ、それでも粗忽長屋もどきが良かったかな。
★★★☆☆

2023年1月19日木曜日

探偵ザンティピーの惻隠

 

前2冊と同様にニューマンハッタンから北海道の温泉へ。
アシスタントのシモーヌの友人は父親がww2で友達となった日本人捕虜の写真を持っていた。
この写真が発端となり、北海道の温泉旅館で事件が。
いつもの様に義妹の旦那の協力を得て謎を明らかにするが、秘密にしておくべきことは秘密にするというお話し。
寅さん映画が好きなザンティピーだからワンパターンのお話にしているんだろうと思っている。そう割り切ってしまえばなんてことは無く楽しく読める。
★★★☆☆

2023年1月17日火曜日

丘の上の賢人 旅屋おかえり

 

前の文庫に収録されなかったお話と、北海道の旅エッセイとえりかスカウトの場となった東京の修学旅行を描いた漫画を収録した巻。
故郷の北海道への旅を受けないとこだわるえりかだが、北海道への旅を依頼される。断るつもりだったがとある丘に佇む人物が、依頼人のかつての恋人か確かめてほしいという願いに心動かされる。そして旅に出るというお話し。
えりかがなぜ北海道に行きたくないのかあまり説得力がないように感じた。話の中で待っている人がいるところが故郷だ!みたいな話が出てきたがそれでいいんじゃないかと思う。売れないから帰れないなんて言うんでなく素直に帰りたいんなら帰ればいいと思う。えりかの家族も待っていると思う。と思いながら読んでました。全体的には面白く読まさせていただきました。
★★★★☆

探偵ザンティピーの仏心

 

ニューヨークの私立探偵ザンティピーはとある依頼でケガをし入院。それを不憫に思った依頼主は養女の日本行きのエスコートとしてザンティピーに同行を頼む。
目的の温泉旅館に到着する直前に事件が発生し、ザンティピーは監禁される。

またしても北海道の温泉旅館を舞台に謎の解決に挑むといったお話し。

小路さん北海道の温泉が好きだなぁ。
★★★☆☆

探偵ザンティピーの休暇

 

ニューヨークで私立探偵を営むザンティピー。
日本の北海道で旅館の若女将となった妹サンディから連絡が来る。
妹が発見した人骨の謎を地元の小学生、義理の妹とその恋人の協力を得て解き明かす。
ザンティピーの耳は素晴らしく2、3時間話をすれば知らない外国語も話せるようになるという特殊能力を持っていて日本語は読めないけれどペラペラ。おまけに寅さんが好きで日本語の口調は寅さんと一緒といった都合の良い設定。
寅さんの様にお調子者ではないが、人情味があり探偵は他人の秘密を暴いて収入を得るのが仕事だけれど、必要以上に暴き立て広めることは無いというスタンスで事件を解決し治めるといったお話し。
★★★☆☆

2023年1月16日月曜日

がんこスーパー

 

リストラの対象となったが、転職の誘いがあったため応じた中年男・青葉一成。
しかし、転職先の社長交代により、今にも潰れそうな弱小スーパーの副店長として派遣されることになってしまう。
店長には他店のスパイと疑われ、パートの面々もやる気なし。
逆境のなかで、ご近所の老女からのヒントで地元産の野菜を活用することを提案。困難を乗り越え崖っぷちスーパーを再生してゆくお話し。
これも光の魔女と似た感じのほんわかしたお話しでした。
★★★★☆

ひかりの魔女 さっちゃんの巻き

 

さっちゃんはある事件からいじめにあい、今はフリースクールに通う小学5年生の女の子。
そのフリースクールに週1回ひかりさんがボランティアに来ることに。
いつもの様にひかりさんの人脈やアイディアでさっちゃんやフリースクールに変化が起き、変化はさっちゃんの家庭や近所にも広まって行く。

ひかりさんの否定しない、ほめる、ちょっとヒントを与える、そのことが魔法の様に大きな変化を生んでゆくといういつものパターンだけど心温まるお話でした。
★★★★☆

2023年1月11日水曜日

ひかりの魔女 にゅうめんの巻

 

名前は真崎ひかり。手拭いで姉さんかぶりをし、紺の作務衣の上に割烹着、足元は地下足袋、書道教室の先生で料理が得意。そんなひかりおばあさんがアイディア、人脈を魔法のように使って、シャッター街の喫茶店、つぶれそうな町工場、社内クーデターで解任された元社長や、ラーメン屋を潰し車中泊しながら取立屋から身を隠し職探しをする男性を幸せにしてゆく。
魔法の基本はその人を否定しないでほめるってこと。
ほんわかした気持ちになりながら一気に読み終えました。
★★★★☆

2023年1月10日火曜日

新・知らぬが半兵衛手控帖(15)-埋蔵金

 

いつものように白縫半兵衛さんが事件を解決して、知らないことにした方が良いことには知らん顔をするワンパターンだけど人情味溢れるお話し4編。
上司である与力、大久保忠左衛門が罪を着せられどうになる「邪魔者」。
犬が咥えてきた一両小判が発端となる「埋蔵金」。
殺人事件の目撃者として証言したことにより命を狙われる大工を守る「御礼参り」。
返済出来なかった借金のために妾にされた娘を助けようとする浪人の思いを描く「質流れ」。
★★★★☆

君のクイズ

 

著者 : 小川哲
朝日新聞出版
発売日 : 2022-10-07
クイズ番組で対戦相手に問題が読まれる前に答えられ、負けてしまったクイズプレーヤー三島玲央。
なぜ、相手の本庄絆は問題を聞かずに答えられたのかを本庄の生い立ち、番組制作者、過去の番組の問題等から明らかにしようとするお話し。
確かに細かなところまで注意を払い答えに違和感のないように配慮されていたのかもしれない。しかし、帯にある絶賛の言葉が信じられないほど、読みながら心が踊らなかった。
やっぱり無理やり感が払しょくできていなかったんだと思う。
★★★☆☆

2023年1月5日木曜日

献残屋 火付け始末

献残屋とその仲間が仕置き人のようなことをするお話し。でも、お金を貰ってというわけでなく義憤に駆られてといった感じ。綱吉の頃のお話なのでお犬様であったり忠臣蔵が絡んでくる。
古本屋さんでよく確認もせず買ったので、シリーズ最終巻を最初に買ってしまった。
★★★★

花咲小路四丁目の聖人

 

東京バンドワゴン以外の小路さんの作品を読んでみようと古本の文庫を買った。
かつて英国で活躍?していた怪盗が日本に帰化し、さびれた商店街を守るお話し。
もう一つの物語の柱が、主人公でもある娘の亜弥と幼なじみの後輩の恋愛。
こちらは、大した出来事はないけれど進展してゆく流れ。

結構設定に無理があり、素直に物語に没入できないところはあった。

★★★

乳母車の狙撃手

 

著者 : 赤川次郎
主婦と生活社
発売日 : 2000-02-01
題名を見たときは乳母車に乗った赤ちゃんがスナイパーなのかと思ったが、ははおやだった。
赤川次郎さんを久しぶりに読んだけれど、こんなにドンパチするお話を書く人だったかなと思った。後始末を考えたらどうするんだと心配になってしまうけれどそこは割りきって読んだ方が楽しめたのかもしれない。
★★★