2023年5月31日水曜日

あずかりやさん

 

一日百円で、どんなものでもあずかる東京の下町にある商店街の明日町こんぺいとう商店街で営業するお店。店ののれんには「さとう」と書かれ、商店街のマップでも「あずかりや・さとう」と紹介されているけれど店名は「さとう」ではない。目の見えない店主は「さとう」と紹介されていることものれんの文字も知らない。
店を訪れる客たちは、さまざまな事情を抱えてそれぞれ事情のあるものを預けてゆく。
淡々とあずかりものをする店主だがそれぞれの事情に合った人情のこもったあたたかな対応を描いたお話しの1作目。
★★★★☆

本をめぐる物語 一冊の扉

 

メアリースーを殺して 中田永一
旅立ちの日に 宮下奈都
砂に埋もれたル・コルビュジエ 原田マハ
ページの角の折れた本 小手鞠るい
初めて本をつくるあなたがすべきこと 朱野帰子
時田風音の受難 沢木まひろ
ラバーズブック 小路幸也
校閲ガール 宮木あや子

前半の作品を読んだのがかなり前だったので、記憶が薄れているためか、印象に残った作品は後半4作品でした。

初めて本をつくるあなたがすべきこと
 扱いの面倒くさい夫に本を書かかせる妻
時田風音の受難
 編集者に本を書かせられるエロ小説家
ラバーズブック
 想いの詰まった本とアメリカ旅行で出会い一緒に旅を する小説家
校閲ガール
 ファッション誌の編集者にあこがれながら仕事にのめり込んでゆく校閲者のお話し。
★★★☆☆

2023年5月17日水曜日

スイート・ホーム

 

宝塚の高台にあるキンモクセイの香る赤い屋根のケーキ屋さん。
パテェシエのお父さんに看板娘のお母さんそして娘二人とそれを取り巻く人々のお話し。
良い人しか出てこない読んでいて幸せな気持ちになる物語でした。
★★★★☆

あずかりやさん 彼女の青い鳥

 

1日100円で何でも預かるあずかりや。店主は目が見えない。社長という名前の白い猫が飼われている。あずかりやにはぬいぐるみ、スーパーボール、小説や手紙なんかがいろんな思いで預けられる。店主は理由も聞かず名前と預かる日数を聞き日数分のお金を貰う。
だけど、あずかりやは預けたときの気持ちや預けたものの想いでも預かってくれるそんな気がする。
★★★★☆

2023年5月8日月曜日

〈銀の鰊亭〉の御挨拶

 

かつて鰊御殿として栄えた建物を「銀の鰊亭」として光の祖父が料亭を営んでいた。しかし、1年前に起きた火災で光の祖父と祖母はなくなり、光の叔母の文は祖父母を助け出そうと火の中に飛び込み記憶をうしなった。そしてもうすぐ料亭を再開する「銀の鰊亭」から光は大学へ通うことになった。1年前の火災はネズミが原因の漏電として処理されていたが、それを不審に思う刑事の磯貝から弁護士の父経由で光に依頼が・・・。ということで真相を探って行くが結末はほんわかとぼけたものになっている。しょうがないところかもしれないが消化不良気味の結末でした。
★★★☆☆

出張料理・おりおり堂 - 卯月~長月

 

粋に着物を着こなす老齢の桜子がオーナーの骨董店おりおり堂は、イケメンの料理人の仁(じん)が行う出張料理もやっている。ひょんなことから出張料理人仁の助手となった32歳の澄香。仁へ恋心と妄想を抱きながら助手を務めてゆく。
仁が出張料理を行うには深い事情があった・・・。
★★★★☆