2026年7月20日月曜日

いまこそガーシュウィン

 

岬洋介が榊場隆平の窮地を救っているころ、アメリカではアメリカ第一主義を掲げる新大統領が選出され、人種間での分断が問題となっていた。
ショパンコンクールで6位に入賞したエドワードはそんな状況を憂い黒人音楽を愛したジョージ・ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」を弾くことを思い立つ。さらに岬が榊場と2台演奏したことで岬と共演したいと思う。
なんとかマネージャーを説得し岬との共演の準備を進めてもらう。さらに楽団への多様性ということで臨時の演奏家を白人以外から募集する。
黒人、ヒスパニック、マイノリティを迫害する大統領を暗殺しようとするグループは「愛国者」と呼ばれる殺し屋に大統領殺害を依頼する。しかし、金持ちの大統領は隙を見せない。そんな中、大統領夫人のたっての依頼でエドワードと岬の共演を夫妻で鑑賞することとなる。
暗殺を依頼された「愛国者」は演奏家でありそこに臨時楽団員に募集し選ばれる。
選ばれたのは男性2人女性1人。この中に「愛国者」がいる。が誰かわからない。
完全にトランプ大統領がモデルなので、暗殺は失敗するというのが大前提で読み進め、「愛国者」は誰なのか?、「愛国者」どうやって大統領を殺害しようとするのか?岬はどうやって阻止するのか?ってところが見せ場かな。
★★★★☆

2026年7月18日土曜日

おわかれはモーツァルト

 

榊場隆平が殺人事件の犯人と疑われる。榊場の盲目は芝居ではないかと絡んできたフリーライターが榊場の練習場で殺された。警察に連行されそうになるその時に現れたのは岬洋介。
彼は司法研修生時代の同期を助けるため全てのスケジュールをキャンセルし、法廷で父親と対峙したばかりだった(岬洋介の帰還)。
その後は大きな問題もなく榊場のコンサートも岬との2台演奏をアンコールとして終え、岬洋介による謎解きが行われる。
まあ、盲目か否かは科学的に証明できるんじゃないかと思うが違うんだろうか?と思いAIに聞いたらできるとの答え、だったら別にフリーライターの妄言に怯えることもないのにと思ったら気が抜けてしまった。★★★☆☆

クロエとオオエ

 

有川さんのラブコメ。なんのてらいもなくラブコメ。横浜で三代続く宝石商の嫡男オオエとその下請けの工房でジュエリーのデザインと製作をするクロエの出会いから結婚までのお話し。
語るのはオオエ。それまで宝石商の若様夫人という玉の輿を夢見る女たちに言い寄られるまま付き合って来たオオエ。結婚は見合いでと思っていたのもかかわらず、合コンで出会ったクロエに一目ぼれ。しかし、なかなか告白できずウジウジするオオエと思いもかけないデザインのジュエリーを次々と作って周囲の人のピンチを救っていくクロエの強さと二人のイジイジした関係を有川さんが描く。
宝石について元々知識がどのくらいあったのかは分からないけど、作家って色々勉強しなければならないんだなぁってのが素直な一番の感想。後は読み終わってから「有川ひろ」って著者名に気づいた。調べたら2019年かららしい。「浩」が男と勘違いされやすく、画数が多くサインも面倒とか諸々で替えたってことでした。
★★★★☆

2025年10月28日火曜日

ババヤガの夜

 

著者 : 王谷晶
河出書房新社
発売日 : 2020-10-23
2025ダガー賞翻訳部門受賞作
これを翻訳するのはナカナカ難しいと思うが、翻訳部門で受賞は王谷さんも素晴らしいが翻訳したサム・ベットさんも素晴らしいんでしょうね。
女性を主人公としたバイオレンスもので最後にどんでん返しも用意されているお話。
ある程度現実味は無いと割り切って読む必要はある。
☆☆☆☆★

2025年3月27日木曜日

合唱 岬洋介の帰還 (宝島社文庫)

 

日本中が注目する残忍な殺人事件の犯人を取り調べ中に銃殺したとして殺人罪の被告となった検事の天生。東京検察庁の岬次席検事が裁判を担当することで弁護を引き受ける者がいない。窮地の友を救うべくピアニスト岬洋介が日本に戻って来る。さて天生の裁判は如何に・・・というお話し。
岬洋介登場から、謎解きがあまりにもスムーズに行き過ぎるが、爽快感がある展開だった。だから良しとする。
★★★★☆

2024年12月24日火曜日

婿どの相逢席

 

ひょんなことから大店の仕出屋『逢見屋』の長女お千瀬と知り合った小さな楊枝屋の四男坊・鈴之助。めでたく婿入りし、人もが羨む逆玉婚のつもりが一見若主人、それはあくまで建前で大女将、女将、若女将が実権を握り婿の義父と鈴之助は隠居と変わらない待遇だと祝言の翌日に申し渡される。
そんな『逢見屋』の仕来りと千瀬の妹達からの冷遇を耐え一つ一つ変えて行く。
のんびりした誰からも気軽に声を掛けられやすい雰囲気のほんわかした鈴之助が次第に逢見屋を変えてゆき家族と店の懸案事項を解決してゆく様をにやにやしながら読める作品でした。
★★★★☆

クジラアタマの王様

 

都議会議員と製菓会社の広報マンとアイドルが夢と現実の中でチームとなって戦うお話し。
伊坂作品なので当然宮城県も舞台となる。
挿絵に漫画があり理解を手助けしてくれる。
語り部は広報マン。
ハシビロコウが何だったのか、夢なのかパラレルワールドなのかどちらが夢で、現実なのかといったところもあって、ちょっともやもやの残るが、テンポのいい語りであっという間に読み終えるけれど、
ハシビロコウの学名が「クジラアタマの王様」だと知った。
★★★★☆

2024年12月18日水曜日

きんぴか

 

出所したてのヤクザ、罠にはめられた元国会議員秘書、自分の信念に基づきお偉いさんをコテンパンにした元自衛官の3人をリタイアしたデカがどう使うのか?ってお話。

ピスケンが救急救命センターの看護婦長、自称「血まみれのマリア」に恋をした。軍曹とヒデさんはどう思うのか?!ピスケンの恋の行へは?

金ぴか完結編。まだ読んでいたかった。また3人にあいたいと思わせる破天荒な奴らの物語。

敵対する組の親分を殺り13年刑務所で過ごした阪口健太、通称ピスケン。
湾岸派兵に断固反対し、単身クーデターを起こした挙句、自殺未遂をした大河原勲、通称軍曹。
収賄事件の罪を被り、大物議員に捨てられた元政治家秘書の広橋秀彦、通称ヒデさん。
あまりに個性的で価値観もバラバラな3人が、何の因果か徒党を組んで彼らを欺いた巨悪に挑む!悪漢小説ということだが、この3人に加え個性豊かな登場人物がハチャメチャな物語を津l食ってゆく、痛快なお話しでした。
結構古い発行の本なんで続巻は望めないだろうな。

2024年5月18日土曜日

ロマンシエ

 

気持ちは乙女な美術系男子のお話し。
遠明寺美智之輔は、絵が上手で同級生の男の子高瀬君に恋する男の子。両親から有力政治家の娘との結婚を迫られ美大を卒業後、逃れるように憧れのパリへ留学していた。
アルバイト先のカフェで美智之輔は、凄まじい勢いでパソコンのキーボードを打つ日本人女性にあう。その女性は美智之輔が愛読している超人気ハードボイルド小説の作者であることが判明。彼女は訳あって歴史あるリトグラフ工房idemに匿われている。美智之輔の卒業が迫りビザが切れる期限が迫るなか、愛しい高瀬君がidemに登場し、恋の行方と美智之輔がパリに残れるか?!スリルとサスペンスの恋愛コメディは終盤へ。
読み終わってムフフとなるお話しでした。
★★★★☆

2024年1月29日月曜日

街とその不確かな壁

 

著者 : 村上春樹
新潮社
発売日 : 2023-04-13
ジャンルをファンタジーにしたが良いのだろうか?
書き出しは次元が違う二つの世界の話が並んで進んで書かれていたため理解できず物語に入りこめなかった。
2部、3部と読みやすくはなったが、最後まですっきりすることはなかった。
我々が生活していると思われる世界と、時計の針の無い壁の中の世界。音楽のある世界と音楽の無い世界。図書館に本がある世界と図書館に本がなく卵型の容器に古い夢しかない世界。影と本体、どちらが影でどちらが本体なのか、結局そんなことは関係なく意識だけの問題なのか。壁の中の世界は私が作り上げた世界なのか。イエローサブマリンのパーカーの男の子が継承した壁の中の世界は何が違っているのだろうか。
僕にはわからないことだらけだ。
★★★★☆

2024年1月19日金曜日

私たちの世代は

 

小学生で新型コロナウィルスの影響で不自由で制限された生活を強いられた世代の二人の女の子のお話し。
時間軸は子供時代と大学を卒業してからとが順繰りに繰り返される。
異なった環境で育った二人が、コロナの影響を受け育ち、ひょんなことから出会う。

コロナ世代のお話しと知り、読むのをちょっとためらいましたが、瀬尾さんらしいほんわかした中に周りの環境に負けないで強く明るく生きていく人達のお話しでした。
★★★★☆

2024年1月17日水曜日

お探し物は図書室まで

 

自分に自信を持てないスーパーの婦人服売り場の販売員、アンティークショップ開業を夢見る家具メーカーの経理部社員、出産を期に資料部に異動になった出版社の元編集者、なかなか職につけない30歳のニートそして65歳で菓子メーカーを定年退職した男性が地区のコミュニティハウスの図書室で一人の司書から紹介された本と手作りの付録から生きがいを見つけるお話し。5つの話でそれぞれの登場人物が関わり絡んでくる。
期待を裏切らない青山美智子さんの作品でした。
★★★★★

黒い絵

 

著者 : 原田マハ
講談社
発売日 : 2023-11-01
帯びには「著者初のノワール小説集」とうたわれていた。ノワールとは、仏語で「黒」のことらしい。原田さんにしては珍しく、淫靡であったり背徳的であったりオカルト的であったりする黒いイメージのお話が6編。
1時間ちょっとで読める本でした。残念ながら好みではありませんでした。
★★★☆☆

2023年12月19日火曜日

侠飯6 炎のちょい足し篇

引きこもりの自立支援施設が舞台。
いつもの二人は施設の近所で定食屋をやっている。
しかし施設の入居者が訪れると日替わり定食はいつも売り切れ、柳刃が特別レシピでおいしい料理を300円で提供する。
まあいつもの通り、これは情報収集の手段なのだろう。

今回のレシピで自分でつくれそうなのはポトフかな。
電子レンジを利用した時短方法を参考にして作ってみよう。
★★★★☆

侠飯5 嵐のペンション篇

 

東京都内の田舎にある流行っていないペンションが舞台。
時効を間近に迎えた5億円強盗事件と借金を抱えたペンションのオーナー、語り部となるペンションに雇われたアルバイト、ペンションのお客と地元民が絡んで話は進んでゆく。いつもの二人は今回はペンションのお客。柳刃自ら又はレシピを教えておいしい料理が作られていくのと並んで、嵐の中で5億円事件の時効を迎える。
★★★★☆

2023年12月12日火曜日

奔れ、空也 空也十番勝負(十)

 

空也十番勝負の十番目、完結編
ただし、十番目の勝負はあっさりと語られていた。
今回のメインは柳生の正木道場での修行。
柳生の道場も長い年月のうちに進歩がなく改革が必要と言うことをページを割いて語られていた。
読んでいる間はさすがに場面場面の描写がうまく楽しめたが、振り返ると中身が少なかった印象。
★★★☆☆

侠飯4 魅惑の立ち呑み篇

 

今回は、いつもの二人が麹町の酒屋の角打で料理を出す。今回のターゲットは政治家、 設定はいろいろと昭和感が漂う。 語り政治家の私設秘書。彼の恋愛もテーマの一つ。
料理は角打らしく簡単にできるおつまみがメイン。
★★★★☆

2023年12月5日火曜日

図書館のお夜食

 

樋口乙葉は、亡くなった作家の蔵書を展示する夜だけ開く図書館に転職した。
この図書館は普通の公立図書館と違い、入館料が必要。
お客は資料として閲覧するものが大多数。
そんな図書館で繰り広げられる本にまつわる出来事や夜食として出される作家やその作品にまつわる料理とともに図書館の成り立ちについても語られてゆく。

ちょっと中途半端かなあと思われる終わり方だったけれどオーナーの言葉を信じることにする。
あまり明るい話ではないけれど暗い話でもなく、軽く読める作品でした。
★★★★☆

2023年11月24日金曜日

なぜ、そのウイスキーが謎を招いたのか

 

仙台国分町のバー「シェリー」でお客の話す事件や出来事からバーテンダーが謎解きをする短編集。
事件よりウイスキーの蘊蓄にウエイトを感じる。
仙台在住の人が書いたんだろうなと感じさせる本。「なぜ、そのウイスキーが死を招いたのか」の続編。
★★★☆☆

なぜ、そのウイスキーが死を招いたのか

 

仙台、国分町のバーでお客がバーテンダーに語る事件や出来事からバーテンダーがウイスキーの蘊蓄とともに事件の謎解きをする短編集。
まあ、謎解きは突っ込みどころはあるがウイスキーの見ながらほろ酔いで読むといいかも。
★★★☆☆